カフェモカです!
この記事は、
「曲作ってみたら、音が薄い?なんで? 実践編1」の続きです。
一応続き物で、前の記事を読んでいる前提で話を進めますので、是非一度、前記事も読んでやってください(;^_^A
前回のおさらい 音が薄い原因と対策
前回は実際に音が薄い原因を、自分の曲を比較して探ってみました。そして、原因を、
・ 100-200Hz付近の音が少ない
・単体の音が目立ちすぎている
・サウンドの広がりが少ない
であるとしました。たった1曲がサンプルなのですが、もう少し一般的に、音が厚くならないと悩んでいる方にもある程度は当てはまるんじゃないか?と思っています。
そして、対策としては、
・ 低音(100Hz~200Hz) を強化する
・広がりのあるサウンドを取り入れる
・サウンドをレイヤーする
・倍音を付与する
の4つを挙げ、まず倍音の付与についてプラグインの紹介をしました。倍音を付与したからって、急に音が変わるわけではないのですが、言ってみれば音作りの下地に当たる部分なので、是非実践してみることをお勧めします。
低音(100Hz~200Hz) の強化方法
低音をどのようにしているかですが、音が足りなければ音を増やすの原則に基づいて、音色が異なる3本のベースラインを作りました。ベースラインはバスチャンネルにまとめて、マルチバンドコンプレッサーでさらに音を強化しています。
次にキックを解説します。
キックはプラグイン「KICK2」を使って作ったのですが、このキックはピークが150Hz付近と、65Hz付近の2カ所にピークが来るように作ってあります。
65Hzという低周波の音が本来のメインですが、イヤホンなどの小型スピーカーでは聞こえにくいため、100Hz以上にもう一つ山を持たせて、小型スピーカーでもキックの音が聞こえるように工夫をしています。
キックの音がイヤホンでも聞こえるようにするために、ハットの音を混ぜたりとか、EDM作っている人はやるようです。自分はあんまりやらないけど。
バンドサウンドでは、あまりキックの強化とかやらないような気がしますが、だからと言って原音そのままではなく、エンハンサー入れるなどして強化して存在感を出しても良いんじゃないかとは思います。バンドサウンドあんまりわからないので、深くは突っ込めないけど(;^_^A
ネット上のDTM解説で、「低音がモコモコにならないように」とかみんな力説しているんだけど、多くの解説が低音を薄くする結果を導いてしまっているのでは?という疑問を抱かざるを得ないですね。
少なくとも自分は、低音を気にして削りすぎていたので(;^_^A
単独の音をEQでやたらにブーストするのはいただけませんが、複数の音を混合させて、最後にバスコンプレッサー(今回はマルチバンドコンプ)でバランスを取るという方法は、割と良いんじゃないかと思っています。
広がりのあるサウンド / サウンドのレイヤー
実は低音のシンセのところでレイヤーしているのをお見せしてしまっているんですが(;^_^A、広がりのあるサウンドとレイヤーについては一緒に解説したいと思います。
そもそも、今のシンセで「全く音が広がらない音」って無いわけなんですが、少なくともフェイズメーターで音の広がりがどんな感じなのかは確認すべきです。
このように音がセンターにまとまっているのか
それともこんな感じで広がっているのか
で、広がり具合を把握したうえで、音を混ぜていきます。つまりレイヤーしていきます。
サウンドをレイヤーする意味と意義ですが、すごく単純に言ってしまえば、
「一つのサウンドで足りないのなら、複数のサウンドで厚みを持たせましょう」
ということです。EDMなどのエレクトロニックミュージックでは割と一般的ですが、バンドミュージックではまだ馴染みが薄い概念かもしれません。
混ぜる音は、
・アタックを感じられる音(むしろアタック音だけ)
・芯になるしっかりした音(定位はセンター)
・空気感を演出する音(定位はサイド)
このような3種類の音を重ねることで、広がりのあるサウンドを作っていきます。
実は、先に紹介したベースラインも、この原則に基づいてサウンドを選んでいますので、今一度チェックしてみてください
で、広がりのあるサウンドの作り方ですが、ディレイとリバーブをかけましょう。ポイントは、インサートでディレイ、リバーブ、コーラスなどのプラグインを挿してしまうことです。センドでかけると芯になる音が残ってしまうので、サウンドをレイヤーする場合は、広げる音は広げる専用と割り切って音を作っていきます。
ディレイ、リバーブだけで広がりを制御しきれない場合は、さらにプラグインを使います。
自分が良く使うプラグインを紹介します。
S1 Stereo Imager (waves)
かなり有名なプラグインですね。左のスライドバーを動かして、三角の広がりを調整することで、サウンドの広がりを調節できます。
Stereo Imager D(A.O.M)
このプラグインは音を広げるというよりは、すでに広がっているセンターの音とサイドの音のバランスを調整することで、聴感上広がりをコントロールするプラグインです。センターの音をゼロにしてサイドの音だけにすることもできます。
Cyclic Panner(A.O.M)
音の定位をコントロールするプラグインです。センターに集めたり、左右に振ったり、サイドに広げたりが自在にできます。
ただし、広げすぎると音の存在は薄くなるので、ボリュームなども調節して良い感じに微調整する必要はありますが。
では、実際にサウンドをレイヤーしている動画をもう一つ紹介します。これは12本のシンセサウンドをレイヤーして一つのサウンドを形成しています。
結構複雑に音を重ねていますが、
・アタックを感じられる音(むしろアタック音だけ)
・芯になるしっかりした音(定位はセンター)
・空気感を演出する音(定位はサイド)
この原則に基づいてサウンドをレイヤーしています。
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さて、かなり駆け足で解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?
手前味噌な内容で恐縮ではありますが、厚みのあるサウンドの作り方、自分の知識をほぼ出した感じはあります。
この記事が参考になって、世の中に良いサウンドが少しでも増え、そのサウンドでミクさんが可愛く歌ってくれたら、自分としては嬉しい限りですねぇ(;^_^A
ということで今回はこれにて。
それでは!
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