DTMテクニック

ボーカロイドの調声を実際にやってみる(2)

カフェモカです!

先日、中途半端に終わらせてしまった投稿記事の続きです。

前の記事をまだ読んでない方は、是非先に読んでいただけると、話が繋がると思います。

前回の記事はこちら↓

ボーカロイドの調声を実際にやってみる(1)

今回は、しゃくりとE.V.E.Cの設定を解説したいと思います。

ちょっと解説の前に・・・

解説に入る前にですね、先日の動画なんですが、ボカロの声そのまんまじゃないってことはお伝えしておこうと思います。

今回は、Delay(UAD Precision Delay)とEQ(WAVES Q10)をどちらもインサートで挿してます。

自分の場合はボーカルをバスチャンネルに一回まとめて、そこでプラグインを使うのですが、ピアプロスタジオのチャンネルに直接挿しても効果は同じだと思います。

ポイントは、「インサートで使う」です。ディレイをインサートで挿して、MIXあるいはドライ/ウェットのつまみを回して、うっすらとディレイがかかるようにします。

実際に聞いてみたらわかると思いますが、ぺったりと張り付いていた声が、空間で歌っているかのような、自分の目の前にいるかのようになります。

ボカロに空間系のプラグインをインサートで使うのはかなり有効なので、是非試してみてください。

調整後の動画、修正版を紹介

先日の動画ですが、実はリミッターをバイパスしていて、音が小さかったので、今回調声後の動画を撮り直しました。ついでに拡大して、ピッチベンドをどんな感じで掛けているのかを見やすくしました。

これなら、細かく見たい場合は動画を止めてチェックすることができると思いますので、活用してみたください。

しゃくりの入れ方

主に歌い出しの部分で、アクセントをつけるために本来の音階より低いところから歌い出す方法です。

入れ方としてはピッチを大きく変化させて入れる方法とノートの先端を切って下げる方法があります。併用するのもありです。

自分の場合は、大抵はピッチベンドで入れます。そのためにPBSでピッチの変化幅を大きく取っているというのもあります。逆にPBSを2ぐらいにしておいて、大きくしゃくりたい場合はノートを切って動かすという方法も良いかもしれません。

例を挙げてみたいと思います。

これは冒頭の部分です。ノートはそのまんまで、ピッチベンドで下から大きくしゃくってます。

こっちは最後の方ですね。「とどろく雷鳴『を』きく~」の部分です。お(を)の先頭のノートを切って分割しています。同時にピッチベンドでもしゃくってます。実はここの部分のノートを切ったのは声質を変えたかったからで、しゃくりの効果はおまけ程度ですw

先に画像を出してしまいましたが、急激にしゃくる方法と緩やかにしゃくる方法を使い分けてます。

ノートの先頭にインパクトを付けたい場合、ハキハキした歌い方にしたい場合は急激にしゃくってます。こちらは音程のずれがちょっと聞いただけではわからないやり方です。

歌い方に揺らぎを持たせたい場合は、緩やかにしゃくって、明らかに音程がずれているのが分かるようにします。

E.V.E.Cの設定

E.V.E.C(イーベック)機能とは、ノートごとに微妙に発生のニュアンスを変えて、強調したり、吐息のような声を入れたりするもので、ピアプロスタジオ独特の機能です。

ルカ姉の E.V.E.C機能については、公式サイトのページ中ほどに解説があるので、そちらを参照してみてください。

正直、この機能がヤバい(;^_^A 超使えるw

ということで早速どうやっているか解説したいと思います。

冒頭部分です。左にずらっと並んでいるのが、このノートをどのような声質で歌わせたいかの設定、右が語尾に吐息を入れる設定です。ショートとロングがあります。冒頭では力強く歌わせて、最後はロングブレスで急激に声が消えていくように表現しました。

今回は使ってませんが、下にある子音拡張の部分を設定すると、子音が強調されてさらに効果が増します。やりすぎるとザラザラした音になっちゃうので注意が必要ですが(;^_^A

これはその後に続く部分です。子音分割して先頭にE.V.E.Cを設定してます。

これ、後ろの母音部分にも設定可能なんですよ。なので、ロングトーンのノートをいくつにも分割して、その中で声質を変化させるなんていうかなり高度なことが可能です。

これは中盤の「うるおい『み』ちて」の部分です。「み」を子音分割して、先頭を強調設定、後ろの母音部分の声質を変えてます。この「N」というのはルカ姉の声をVOCALOID2の声質に変化させるものです。これで独特の歌いまわしが生まれます。

声を変えられるのは、実はルカ姉だけ?

これだけ E.V.E.C(イーベック)機能の紹介してきましたが、実はこんなにたくさんの設定があるのは巡音ルカV4Xだけです。ミクさんはどうかというと・・・

力強く歌う「Power」、柔らかく歌う「soft」そして語尾の吐息、これしかありません。ミクさんには発音拡張にルカ姉には無かった、MildとAccent/Strongというのがありますが。

声を複雑に変えるなら、ルカ姉がダントツに多機能です。が、他のV4Xが全然ダメかというとそんなことはありません。機能こそ少ないですが、この二つだけでも十分に声質が変えられます。先に解説した子音分割を組み合わせると、かなり複雑な歌い回しができるので、V4Xはやはりすごいです。

今回は、しゃくりの入れ方と、E.V.E.C機能について解説してみましたが、正直一番伝えたいのは、「 E.V.E.C 機能と子音分割を組み合わせたらやばい」ってことですかねw

もちろん、ピッチベンドもしゃくりも、パラメータの設定も大事ですよw。

これらを組み合わせて、ぜひ神調教を目指してみてください。

それでは!

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