DTMテクニック

VOCALOID5を導入したので、チョットだけ使ってみた感想を書く

VOCALOID5(YAMAHA)

カフェモカです!

ツイッターをご覧の方は既にご存知と思いますが、去る2018年12月25日、VOCALOID5の購入を決定し、さっそく導入してみました。

導入の決め手になったのは、その前に作っていたカバー曲

「White Christmas ft. Luka Megurine / Cafe Mocha Remix」

のボーカル、巡音ルカ(以下ルカ姉)の調声が思うようにいかなくてかなり苦労したのと、年末年始で15%割引セール(2019年1月8日まで)を行っていたので、いい機会だと思ったからなんです。

で、年末年始の間に、ちょこちょこと弄ってみたので、その使い勝手について感想を描いてみたいと思います。

VOCALOIDについて簡単におさらい

VOCALOID(ボーカロイド)とは、YAMAHAが開発した音声合成技術です。

人間の声(歌手や声優など)をベースにして、サンプリングデータを作り、歌詞とメロディーを入力することで、自在に歌わせることができます。

有名なのは何と言っても「初音ミク」ですね。

2007年8月31日に、クリプトン・フューチャー・メディア社から販売が開始されてから11年、本来はサンプルデータでしかなかったVOCALOID技術に革命を起こし、バーチャルシンガーとしてキャラクターの人気は今や世界レベルに広まっています。

自分は、ボカロ(VOCALOIDの略)キャラクターは

・初音ミク

・鏡音リン・レン

・巡音ルカ

の3種類を使っています。

え?、4種類じゃないのかって?

鏡音リン・レンは中の人が同じなので、同一パッケージです。

なのでキャラクターでは4人ですが、実質3種類のボカロを使っています。

巡音ルカで壁に当たった

ボカロは音源として販売されています。なので単体では何にもできません。音声を編集するためのエディターツールが必要になります。

現在は、YAMAHAが販売しているVOCALOID Editorと、クリプトンが制作、公開している「ピアプロスタジオ」の2種類があります。

(ピアプロスタジオは、単体での販売はしていません)

初音ミクを購入すると、販売元のクリプトンが開発した、ピアプロスタジオが同梱されており、エディターを購入しなくてもすぐに使うことができます(別途DAWが必要ですが、ここでは説明を割愛)。

ピアプロスタジオは、実質無料ツールなのですが機能面でも非常に優秀で、特に不都合を感じてはいませんでした。

しかし、ルカ姉を使用したクリスマスソング(しかも英語)で、調声に限界を感じ始めました。細かい音声の変化などすべて手動で合わせていくのですが、どうしても若干ですが音がずれる。音痴っぽく聞こえる部分が出てしまう。

今回は「もういいや」的なノリで曲を公開してしまいましたが、やはり悔いは残ります。手動での調声に限界を感じてしまったので、今まで導入を見送っていたVOCALOID5(V5)の導入をついに決意しました。

VOCALOID5の特徴は何?

VOCALOID5(V5)はYAMAHAの運営するVOCALOIDショップから購入することができます(ダウンロード販売のみ)。

VOCALOIDショップはこちら

V5の特徴は何かというと、一番のポイントは

・「豊富なプリセットの存在」

でしょう。やっぱり。

歌唱スタイルのプリセットが1000種類以上あって、目的別にプリセットを選ぶと特に調声しなくてもそれっぽく歌ってくれます。

VOCALOIDプリセット設定

あらかじめ調声ができている状態から細かいところを作りこんでいけば、手間が大幅にかからなくなります。

さらに、ノートのエンベロープを弄ることができるようになりました。

ノートのアタック、リリース調声

いままでは、ほぼ手動で弄っていたエンベロープにもプリセットが用意されていて、手間が大幅に省略できるようになりました。

それに加えて、掛け声やコーラスの音声もプリセットで用意されています。

wavデータとVOCALOIDデータ(MIDI)データがあって、しかも日本語と英語のサンプルがあります。

音声サンプルプリセット

VOCALOIDデータは、既存のボカロの声に置き換えることができます。

なので、プリセットから選んだ声をミクさんに歌ってもらうことも可能。

いろんなことができるようになりそうです。

今まで通りの調声も可能

従来の調声パラメータ画面の出し方

従来のパラメータ設定画面の出し方、画像では説明しにくいので動画にしました。

「MUSIC EDITORタブ上(ノートを描いたりする画面)」の左下に「+」があり、そこをクリックすると現れます。

動画にはありませんが、閉じるときは「+」を右クリックすると閉じることができます。

新しいプリセットと、従来の調声を組み合わせて、より強力に調声作業が進められることでしょう。

V5のここがいまいち

良いところばかりではなく、気が付いた範囲で、改善してほしい点も指摘しておきたいと思います。

・とにかく説明が足りない

先ほどの従来パラメータ調声画面の出し方ですが、マニュアルには載っていません。実はツイッターで教えてもらって初めて知ったものです。

マニュアルにすべて載っていると思ったら大間違いで、マニュアルから抜け落ちている機能が、まだありそうです。

・リアルタイム描画機能がしょぼい

画面を拡大縮小(Ctrl+Shift+マウスホイール)したりすると、イベントノートの表示が消えます。その状態で移動してしまうので、編集したい箇所を見失います。

正直これは使いにくい。ぜひ改善してほしいところです。

・プリセットの歌唱スタイルに付属しているエフェクタは、いらない

これは人によりけりでしょうが、それなりにDTMをやっている人なら自分でエフェクタを集めているはずなので、むしろ自分のエフェクトを使いたい。正直言って付属のエフェクタは性能も使い勝手もいまいちです。

自分の場合はエフェクタは全部外して、DAW上でエフェクトをかけています。

・さらに言ってしまえば、付属のボイスライブラリも要らない

V5にはあらかじめ「Kaori、Chris、Amy」という3人のボイスが付属しています。

しかし、この3人を自分が使うことはまずないでしょう。

開発段階でテスト用ボカロとして必要な存在だったのかもしれませんが、自分は既にミクさんをはじめとして複数のボカロを所持していますので、要らないなと思いました。

曲を作る側の言い分としては、名前も良く知らないボカロで曲作っても、聞いてくれる人がほとんどいないのです。

最初から「初音ミク」に歌ってもらうだけで、試聴してくれる人の人数が全然違う。

名も知らぬボカロを省いて、その分安くしろとは言いませんが、容量を3人で7GB以上取っているのは、自分は良いですがギリギリの環境でボカロに歌わせようとしている人にとっては死活問題になりそうです。

外してもらっても良いんじゃない?とは思います。

まとめ 「V5は買って損はない」

以上、良いところ、悪いところと書き連ねましたが、総合的に見たらV5は買いです。それは間違いないです。

ただし、しっかりと使い込むつもりで購入しないと、宝の持ち腐れになります。

機能が凄く多いですが、初心者が楽をできる機能とは言い難いです。きちんと理解していないと、上手くいかなかったときに何が悪いのか判らずに挫折、なんてことにもなりかねません。

********

追記

2019.8.31「マジカルミライ2019」会場の企画ステージにて、『初音ミク』の次期バージョンについてwat(佐々木渉)氏、伊藤社長らの発表がありました。

話を要約すると、初音ミクを始め、クリプトンのボーカロイドシリーズは、VOCALOID5ではなく、自社独自の技術で進化していく。

2020年の上半期ごろに、ピアプロスタジオが大幅に進化する形で独自ツールをリリースする予定との事です。

2019年の年末に詳細な情報が公開されるとの事。

正直、このツールがどのようなものなのかは現状では全くわかりません。

ですので、新規にボカロエディターを求める場合は、やはり現状のツール

・VOCALOID5

・ピアプロスタジオ

の2択になります。

クリプトンのボーカロイドシリーズを購入されたのでしたら、ピアプロスタジオをしばらく使って、もう少し様子見という選択もありかなとは思います。

********

いずれにせよ、真摯にボカロPの腕を磨き続ける頑張り屋さんには、きっとミクさん達ボカロは微笑んで、素敵な歌声を聞かせてくれる事でしょう。

以上です。それでは!

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