DTMテクニック

DTMで初心者が作曲するなら、洋楽っぽい曲を作るのがお勧め

カフェモカです!新年あけましておめでとうございます!

今年も、ボチボチとブログ更新を頑張っていこうかと思います。

先日、YouTubeに「【DTM】作曲初心者は、洋楽っぽい曲を作るのがお勧め」というタイトルで動画をアップいたしました。この記事はその動画内容を文章で補足するためのものです。

動画では、主にどんな感じの音を使ったか中心に話していますので、動画で解説しきれてない部分をブログで解説しようと思います。

動画と合わせてごらんいただければ、より理解が深まるんじゃないかと思います。

【DTM】作曲初心者は、洋楽っぽい曲を作るのがお勧め

ということで、こちらが動画になります。

J-POPって、意外と作るのは大変だと思うのです。

何故かというと曲の構成が複雑だから。

あるJ-POPの曲構成を見てみると、Aメロ、Bメロ、サビ、ソロ、 Aメロ、Bメロ、フック、サビ、ソロ、Cメロ、Dメロ、サビ、アウトロ

という感じになります。繰り返しもありますが、異なるパートが8種類も存在しています。コード進行も(同じ部分もありますが)異なるものを当てたり、チョットひねって技巧的な要素を見せたりと、知識も技術も無いと出来ないことをやってたりします。

シンプルな洋楽曲の例

洋楽っぽい曲とはどんなのかというとですね~、

一つのコード進行を延々と繰り返す、みたいなシンプルな構造の曲を指します。実際はもっと色々定義はありますが、一番大きな要素はここです。

例を一つ出してみましょう

「Stand By Me」

映画も曲も、不朽の名作ですね。

実はこの曲は、「A – F#m – D – E」というコード進行だけで構成されています。

このように、洋楽には「シンプルなコード進行一つだけ」で構成されている曲が実に多く、作曲初心者にはとても分かりやすいのです。

メロディーを変えたり、楽器の音色を変えたりして曲を展開させていきます。

「Stand By Me」もメロディーが展開して行ってますね。

洋楽の中でも、ダンスミュージックは曲の展開もシンプルで判りやすい

洋楽と言っても、様々なジャンルがありますが、とりわけEDMを代表とする「ダンスミュージック」が取り組むなら良いと思います。なぜなら、曲の構成がシンプルで判りやすい。

イントロ、バース、ビルドアップ、ドロップ、アウトロ

これで曲が成立します。「バース」というのは、Aメロ、Bメロと同じです。

EDMは基本的に、イントロの後に バース、ビルドアップ、ドロップ が2回もしくは3回繰り返されて、アウトロで終了という構成です。

わかりやすいでしょ?

と言われてもピンとこないかもしれません。なので自分の曲で解説しちゃいます。

参考曲「一つ星」

この曲の構成ですが、

イントロ –

バース – ビルドアップ – ドロップ

– バース – ビルドアップ – ドロップ

– アウトロ

こんな感じになります。

曲作りはコード進行を決めるところから始める

絶対ではありませんが、初心者には「コード進行から作り始めたらいいんじゃない?」って自分は勧めてます。

他には、歌詞から作る、メロディーから作る、とか方法はありますが、どれが合うのかは人それぞれなので、色々試してみて合う方法を見つけたら良いんじゃないかと。

で、ここではコード進行から作る方法を紹介してます。

「一つ星」のコード進行ですが「Gm7 – E ♭ – B♭ – F」で構成されています。

細かなアレンジはあるものの、ほぼ同じコード進行の繰り返しです。

最初にコード進行を考えて作り、同じコード進行をずらっと並べて、コードの音を聴きながら、パートごとにメロディーを考えて変えていく。

こんな作り方で出来た曲です。

後は、ドラムをどうするか、ベースをどうするか、シンセサイザーのアレンジは?という感じで肉付けを繰り返して行って、最終的に曲として完成しました。

曲作りに欠かせない「リファレンス曲」

自分の曲は完全オリジナルかと言うと、全然そんな事は無く、リファレンス、参照した曲が存在します。一つ星の場合は3曲くらいを参照してます。

曲の雰囲気から、イントロの長さ、フィルの入れ方、ビルドアップのタイミングなど様々な部分を真似しています。

マネと言うと聞こえは悪いですが、良いところは積極的にマネすべきです。ただ、やっちゃいけないのが「メロディーを真似る」です。ここは著作権法に引っかかります。

それ以外は、部分を真似るのは問題ないと思います。ただ、メロディ以外だからといって一曲から丸パクリすると、聞く人が聞いたら分かりますし、モラルを問われますし、最悪裁判沙汰にもなりますので、やりすぎは気をつけましょう。

4小節、または8小節ごとに変化していく

自分の曲に限らず、殆どの曲に当てはまると思うのですが、曲の展開には一定の周期があり、4の倍数の小節を単位として変化していきます。同じ音がずっと繰り返されていると飽きられてしまうので、一定の周期で展開させていきましょう。

昔のダンスミュージックなんかだと、イントロは特に、同じサウンドを延々と流すのが良いとされていたりしたんですが、正直自分はそう言う曲は良くないな〜と思っています。はっきり言っちゃうと時代遅れですね。

現在のダンスミュージックは、イントロが長い場合でもきっちりとメリハリを付けた展開が出来ている曲がほとんどです。

閑話休題

自分の曲、一つ星を例にすると、イントロは24小節で構成されています。

曲の盛り上げ方は一定の流れを決めておく

曲の盛り上げ方ですが、ダンスミュージックではビルドアップ⇨ドロップという流れになります。ビルドアップとは、主にスネアなどで「ジャッジャッジャッジャッジャジャジャジャ…」と鳴らす部分で、盛り上がっている感を出します。その後のドロップでバーンと弾ける感じになります。

一般に、ドロップは大きく分けて2パターンの方法があって、1つ目はサウンドを増やし、派手に音を出して賑やかす方法。もう一つは音を思いっきり減らして転調して暗い雰囲気や空虚な感じにする方法。

どちらにするかは曲によりけりですが、一つの曲で両方はやらない方が良いと思います。リスナーが混乱しますw。

あと最近は、イントロの直後にビルドアップ⇨ドロップと言う流れも良くあります。曲の全景を最初に見せる方法です。

勘違いしないで欲しいのが、ビルドアップ⇨バース(Aメロ)に繋ぐのは良くないです。断言しますw。DTMerの特に若手に多いんですが、曲の展開はちゃんと考えないと、聞いてて拍子抜けします。音の使い方は良いのに展開がメチャクチャとか勿体無いですよw

ちょっと脱線しましたが、盛り上げ方はパターンを決めておいて、一つの曲の中ではむやみに変えないことが大事です。

音に厚みを持たせるには、異なる音色のサウンドをレイヤーする

サウンドのレイヤーは、エレクトロ系サウンドでは、ほぼ必須のテクニックになっています。目的は、

「異なる音を重ねて、厚みを持たせる」

やり方は色々あるのですが、解説動画内でしれっとレイヤーしている部分をいくつか紹介します。

まずドラムのレイヤーからw 

DrumMicaのキックにKick2の音を重ねています。さらにシンバルの部分もDrumMicaにInpactでサウンドを重ねています。

ベースラインのレイヤー

ここは、ベースサウンド+サイン波のサブベースです。

エフェクトのレイヤー

複数のエフェクトを合わせて、音に複雑味を持たせています。あまり重ねすぎると訳わからなくなりますがw そこらへんのバランスは、やりすぎたり足らなすぎたりを繰り返して、試行錯誤しながらバランスの良いところを見つけていくしかないのかな~とか思います(;^_^A

シンセのレイヤー

ここでは、トラックをコピーしてパンを振り、片方のトラックを40ms遅らせることで、広がりを持たせています。40msずらすと、ズレが認識できてくるので、音の重なりというよりは、ズレによる効果を狙っている要素の方が強いですが。

更にもう1トラック、別のプラックサウンドをセンターに定位させて、しっかりしたサウンドにしています。

シンセのレイヤー2

アルペジオは、音色の違うプラックサウンドを、オクターブも変えて重ねています。音自体が結構小さいので、埋もれないように、ただ、変に主張しないように埋もれないギリギリのところで脇役を演じているサウンドです。

 音の広げ方、広がっている音をさらに広げる

音を広げるテクニックについては、以前にこのブログでも解説しています。

曲作ってみたら、音が薄い?なんで? 実践編2

今回の曲および解説動画では、主にセンドを使って音を広げています(もともと広がっている音が多いので)。が、積極的に広がったサウンドをコントロールしたいのなら、

・アタックサウンド

・芯になる音

・広がる音

のようにサウンドに役割を持たせて作り込むのが良いと思います。

広がった音をいっぱい重ねて、モコモコにならないの?と思われるかもしれません。もちろんちゃんと処理をする必要があります。

EQで低音をローカットします。

こんな感じ↓

これはセンドのリバーブに欠けているEQですが、200Hz以下をローカットしています。センドに限らず、すべての広がっていそうなサウンドは200Hz~1000Hz範囲で低音を切っています。サウンドによってどのくらいの周波数以下を切ったら良いのかは変わってくるので、一概には言えませんが、たぶんキックとベース以外は200Hz以下は切っても大失敗にはならない気がします。

そうそう、wavesのEQ「Q10」ですが、ローカットのスロープ(傾き)をきつくしたかったら、同じ周波数で複数回ローカットします。

上の画像でも、BAND1,2,で200Hzにローカットを掛けています。

あまり知られていないかもしれないので、一応解説。

余談ですが、BAND3も200Hzにかけていますが、これは肩の所を少し持ち上げて低音がぼやけないように微調整しています。

VOCALOIDは、エディターでの調声と、エフェクトでの調整、の2段階が必要

今回の動画では、エディターでの調声については解説を省いてしまっています。

そっちを知りたい方は、こちらの記事が参考になるかと↓

ボカロの調声、ここは押さえた方が良いと思うポイントを語る

ボーカロイドの調声を実際にやってみる(1)

ボーカロイドの調声を実際にやってみる(2)

本題に入ります。

ボーカルメロディーを作る場合、自分はシンセで先にメロディーを作ります。

その方が効率が良いからですが、有名ボカロPの中には、ボカロエディターで、ひと声づつ作っていく人もいるので、自分のやりやすい方法で良いんじゃないかと思います。

ボカロの声はそのままでは小さいので、エフェクターで大きくするのは必須と言えます。

動画内では、何のプラグインを使ったのかはさらっと流しましたが、

・waves R-Bass

・Sonnox OXFORD INFLATOR

・antares PUNCH EVO

・waves DeEsser

・waves Q10

・waves R-Comprewsor×2

こんな感じです。

プラグインによって音のニュアンスは変わってくるので、この組み合わせは実はこの曲だけで、他の曲では違うプラグインを使っています。

ですが、エンハンサー、ディエッサー、コンプレッサー、EQの組み合わせで試してみてますね、自分の場合。場合によってはリミッターを突っ込むこともあります。

リミッターで音圧を稼ぐ

最後にメイントラック(マスタートラック)での音圧稼ぎの方法です。

自分は、音のバランスはミックスの段階でほぼ完成させているので、マスタートラックではあまり特別なことをやりません。

動画内では手順について触れていませんが、大抵は

1.マキシマイザーを挿して音圧を上げる

2.足りなければ複数個のマキシマイザーを挿す

3.音のバランスが崩れてきたら、マキシマイザーの前にマルチバンドコンプ、あるいはEQを挿して、バランスを取る。

こんな感じです。

なので、マルチバンドコンプレッサーは、マキシマイザーで音圧を上げた後にバランスを微調整するために追加しました。

あと、マキシマイザーは一気に10dB上げるよりは、3dBずつ3段階で上げる方が綺麗に音圧が上がります。

動画内でもコメントしていますが、マキシマイザーはお金をかけた方がいいですよ~ホントに。

てか、AOM Invisible Limiterお勧め。

癖が無いので、バンドサウンドからエレクトロサウンドまで広く使えます。

他にお勧めなマキシマイザーはいくつかありますが、どれも結構なお値段なので、とりあえず一推しなやつをお勧めしておきます。

 

いかがでしたでしょうか?

今回は、盛沢山な動画の内容を補足しながら、曲作り全般を解説してみました。全然解説が足りてない気もしますが、全部を余すところなく解説するのは(量的に)難しいですね(;^_^A

この記事や動画から、何か参考になるものを見つけて、持ち帰って頂けたら幸いです。

それでは!

謎多きボカロ曲「オレンジ」の歌詞を解釈してみる前のページ

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